第2回のテーマは、「どんでん返し」。

前回に続き、皆さんの創作魂をかき立てたテーマだったとみえて、応募総数514作品もの意欲作が集まりました。

たくさんのご応募、本当にありがとうございました。

 

応募作のジャンル内訳上位としては、1位・青春恋愛、2位・現代ドラマ(シリアス)、3位・恋愛(純愛)。

全体の作品傾向として気になったのは、「どんでん返し」の呪縛です。つまり、今回のテーマである「どんでん返し」の仕掛けにとらわれ過ぎてしまい、そこに辿り着かせたいがための、半ば無理やり感のある構成・展開が散見したことです。そして、そもそも「どんでん返し」自体が弱くインパクトに欠ける作品も多く、このテーマの難易度を痛感しました。

 

「どんでん返し」の醍醐味は、それまで読み進めて信じてきたことが、物語のクライマックスに一変して覆された時の衝撃の大きさです。そこで初めて突き付けられる真実にハッとさせられ、時に読者はまた最初から読み返したくなったりするのです。

 

読者の心をどれだけ無理なく、不意打ちのようにサラリと、且つ衝撃的に裏切ることができるか…。これぞ「どんでん返し」の面白さなのですが、今回はその域にあと少しのところで手が届かない惜しい作品がたくさんありました。

 

また、キャラ立ちが弱かったり、雰囲気重視で物語の骨子が伝わりにくい作品も数々あったので、ご自身でもう一度見直しブラッシュアップしてみてください。

 

LINEノベルでは今後も、手軽に楽しめる「スマホ読書」に適したコンテンツの発掘を目指してまいります。

物語の設定や構成ももちろん大事ですが、「スマホ読書」なりの愉しみを極めるならば、テンポの良さ、スピード感、冒頭での没入感、適度な改行などを上手に用いた演出…といったことも重要なポイントなので、ぜひ工夫してみてください。

 

次回のテーマは「希望」。

2020年5月中旬頃に開催予定です。

詳細が決まり次第、別途発表いたしますので、少々お待ちください。

引き続き、ふるってのご応募を心よりお待ちしております!

 

 

 


受賞作品

 

 

『死神の制度』

JO太郎

 

「あなたにとって一番大事な人が、三日後に死にます」

 

 死神のサチは、青柳康介に宣告した。

 死神界の制度が変わり、死の宣告は本人ではなく、対象者の大事な人にだけ宣告することになった。

 青柳康介は恋人である山下美雪と、どんな三日間を過ごすのか。彼女を助けてしまうと、あなたが死にます、とサチは言った。

 青柳康介は葛藤する。

 三日後、彼はどんな選択をするのか。

 死神サチの、本当の狙いとは……。

 

 

選評

 

「あなたにとって一番大事な人が、三日後に死にます」――ある日突然現れた死神から告げられた衝撃のひと言で、この物語は幕を開ける…。

まず、この冒頭がキャッチー。間違いなく何かが起こる。精神が砕かれるような出来事を予感させ、心をぐっと摑まれました。

そして冒頭から明確だったのは、主要キャラクターの立ち方についても同様。上手く役割分担できていて、彼らのおかげで、すぐに読み手は作品世界に引き込まれたことでしょう。

また、ひとつひとつの場面設定やストーリー構成も申し分なく、物語の向かっていく方向を明快に提示。文字を読み進める中で、即、映像が脳内に浮かぶ…といった、まるで映画や漫画を観ているような感覚で愉しめる作品でした。

ラストを飾る「どんでん返し」もある意味、とても痛快でした。その衝撃度と論拠にはつくづく考えさせられるものがあり、思わずひとり頷いてしまうはず。

この作品が凄いのは、仕掛けとしての「どんでん返し」だけじゃなく、この物語に込められた皮肉なメッセージが、誰もが持つ〝人間の哀しい性(さが)〟に刺さり、心揺さぶることだと思います。この著者の今後の創作活動に、大いに期待しています!

 

 

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